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森に続く小径を今日も往く。その森の奥深く、生命の泉があふれるところ。思い出すように、懐かしむように、足裏をしっかりと地につけて、歩む。
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月影が 波間で 揺れる

小舟が 一艘 波間に 揺れる

舟の上

男と女の 後姿が 見える

若い女が 男に身を寄せている

波音に混じって 女の声が 鈴のようにころがる

「なぜって?

ふふっ・・・知らないわ、理由なんて」

男は女に 何を問いかけたのだろう

男の声は 聞こえない



月はしだいに 傾き、やがて 水平線に隠れてゆく

砂浜を歩く 一人の女

朝日は もう 今にも顔を見せそうだ

その兆候は 充分すぎるほどに 砂浜に広がっている

女は 東を背に こちらに向かって歩いてくる

漆黒の髪、浅黒い肌、黒曜石の瞳

マリアじゃないか・・・

さっきの 小舟の女は マリアだったのか

男はどこへ消えた?



マリアは 独り言のように 呟く

「何故って?

おかしなことを 聞くのね

理由なんて あるわけないじゃない」

早朝の風に 透けるように薄い生地のスカートを ゆらめかせて

マリアは 砂浜を 歩く

裸足で



朝日は マリアの背中から 今 まさに 昇るところだ




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着物という 日本語は

今では「和服」の意味で用いられるようになった

ある意味、民族衣装と 言える



近代以前、まだ 自我が民族の域を超え切れていなかった頃

着物姿は 日本人の民族的特徴を よく現していたのだろう

それは 制服のように、外から押し付けられたものではなく

個人が 個人の内部に在る民族的な「身体」の 現れとして

肉体の外に あふれ出していたものだった



今、時代は すでに自我が民族を超えて 個人のものとなっている

個人は 自分の肉体を 自分の現われとして捉え

衣服は さらに 肉体からにじみ出て、あふれ出した 自分自身として

とらえた方がいい

決して

肉体の内部に 自分を感じてはならない

私たちは、自分の肉体の外部に いるのだ

本当は



そこから 自分という 人間としての多様性を 一つ 実現すべく

肉体を もって この世に舞い降りているのだ



肉体の内部にとどまらず 外部にまで 自分自身を押し出すつもりで

衣服を 身につけたいものだ

制服だけじゃない

流行のファッションに合わせることもまた

自分じゃないものに 自分の身を包ませて

自分自身が 外に出たがっているものを 押さえつけることになる

自分自身が 外に出たがっているもの・・・

それは、自分という「気」だ

自分にしかない この世にたった一つの「気」

この「気」が物となって 私たちを包んでこそ

「きもの」となるのだ




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バスの中

一人の女子高生が 私の隣に座っていた

「私の得意科目はね・・・」

と、少女が 話す

「これ、秘密なんだけど・・・」

なに なに?・・・と、私

「生物なの」

ふむふむ・・・

「あのね、それでね、私、ある植物の研究をしているの」

そこで 彼女は、私にテレパシーで その植物の映像を 私の脳裏に送ってくれた

いや、ただ 私が そんな想像をしただけかもしれない

それは、クルクルっと渦を巻いた 新芽だった

蕨(わらび)というよりは、ト音記号に近い

「それね、スイシっていうの

この世のどこにも存在しないんだけど

この地上からしか 目を出さないの」

楽しそうに話す 少女の横顔

私は 決心した

少女といっしょに 必ずスイシを見つけよう

この世には存在しない、この世からしか芽が出ない

そんな、ト音記号を裏返しにしたみたいな 植物を




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断崖の向こうは

海ではなくて、荒野

岩と 焼けた土ばかりの 

草さえ生えない 荒野が続いている



私は 断崖に立った

いよいよ 恐竜退治に 出かけるときが来たのだ

慎重に足を運びながら 断崖の下に降り立った

一歩も進まないうちに

大きな岩の陰から 一匹の恐竜が姿を現し

こちらに向かって走り出した

ヤバイ! 逃げろ!

私は 今降りたばかりの断崖を 登り

恐竜から 逃げようとした

しかし、恐竜もまた 私を追って 断崖を登ってきた

私は銃を構えた・・・が、恐竜は 私を見失ったらしく

うろうろしている

そうか、断崖の上では 恐竜は目がよく見えなくなるのだ・・・と思う

倒すまでもない

私はそう判断し、その場を去った



場面が変わり

どこかの台所らしきところで、私は、何か「つゆのようなもの」を煮ている

蕎麦つゆのような色だ

これは 薬草を煎じているのだと わかった

知らない女性(夢の中では知っている)に

「これを布にしみこませ、30分間逆さに当てておきなさい」

と言っている。

「そうすれば治ります」



恐竜の夢と薬草を煎じる夢は おそらく連動している

なにか、醸し出す雰囲気が同じだった

「恐竜」は、そのまま「恐怖」の意味だろう

わざわざやっつけに行きさえしなければ、出てくることもない

かといって、いずれ退治しなければならないとも思っているあたりが

よく見て取れた

そして、煎じ薬の方だが

知らない内は、なにやら魔法のごときものに映るが

知ってしまえば、蕎麦つゆをつくるようなものだと感じた

ただ、「30分」と「逆さ」の意味がまるでわからない

「30分」ではなくて「半時間」だったかも知れず

「逆さ」ではなくて「逆立ち」だったかも知れない

「半」と「逆流」というイメージが浮かんできた

半分回転させるということ

180度の回転か・・・?

反転・・・か?




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短く カットした髪が

夜風に 吹かれて 後方に揺れる

窓を開け放した 車の中

運転席の私は 何かを吹っ切ったように 晴れ晴れとした顔で

南へと 車を走らせている

夜の 海岸通り

椰子の木が 何本も 何本も 並んでいる

新しい家へと 向かっているのだが

そこは マイホーム

懐かしい故郷であることを 知っている

車の後ろ座席には

ベレー帽を被った 幼子が二人

満ち足りた思いで走る 深夜のドライブ 


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